サンティアゴ巡礼のメモ(Camino de Santiago)
「カミーノ! 女ひとりスペイン巡礼、900キロ徒歩の旅」を読んだ。
カミーノ! 女ひとりスペイン巡礼、900キロ徒歩の旅【電子書籍】[ 森知子 ] |
アマゾンレビューを見る限り好き嫌いが分かれそうだけれど、一先ずどんな人達がどう巡礼しているのか?についてサクッと面白おかしく読むことが出来た。
一応本に出てきたカタカナを勉強がてらスペイン語に。
Ampolla:(足の)マメ
Amapola:ポピー
Pulga:ノミ
chinche:カメムシ
たぶんスペイン語の巡礼記を読む場合に役立つハズ…
次に読んでみたのは年齢性別職業の全く違う人の書いた「スペイン巡礼 緑の大地を歩く」で、人によって巡礼をどう捉えているのか知りたくて選んだ。
冒頭は確かに最初の本とは違うものの途中からは何となく内容が似通っている。
つまるところ普通に巡礼をする場合は、ツアー的な楽しみ方になっているんだろう。
必死に歩いている時の思考を書こうとすると恐らく文学になってしまう。
最後に巡礼に関して、歴史や経緯をもう少し突っ込んだ内容が書かれている「銀河を辿る―サンティアゴ・デ・コンポステラへの道」を読んでみた。
著者は1987年から10年かけて巡礼した人の話で、歩き疲れているのにハムレットの小川について考察しているような人である。
私と違ってきっと教養のある人に違いない。それに最初に読んだ2つの本の参考文献にも挙げられている。
巡礼ブーム前のネット普及以前の時代にスタートした為に、最初に読んだ2つの本よりも序盤はかなり過酷な事をしているように思えた。
教養があっても無くても肉体的には誰もが等しくボロボロの状態になるのが巡礼旅の醍醐味だと思われる。
フランスの道(ルピュイ)を行く話なので、本の内容の半分はフランスについて書かれている。
例えばオーブラック救護院などは、どういう性質の土地で何の意味があってどうして建てられたかについてかなり臨場感をもって説明されている。
こういう文章はきっと知識に加えて現地を歩く体験をしないと書けないんだろうと思う。
スペイン側に入ってからは、フランス編と違って上記のような意味ある(歴史ある?)建物には昔話が存在しているのでそれぞれ紹介されている。
Misterio de Obanos
El txori de Puente La Reina
(スペイン語ストーリー:EspanaFascinante.com)
ナヘラ栄華物語
本文215pで紹介されている。
演劇モノであるそうで、残念ながらコレという確信のある資料を探せなかった。
多分El Reino de NájeraやReyes de Nájeraかと思う。あるいはナバラになっているのか。。。
El gallo y la gallina de santo domingo de la calzada
La historia del Paso Honroso
(スペイン語ストーリー:EspanaFascinante.com)
このサンティアゴ巡礼は10-11世紀にブームが起こったもので、近代のブームは90年代からだそう。
1987年に2900人、1999年に15万人、2017年で30万人と順に増加している。
丁度2000年辺りの四国お遍路が20-30万と言われている記事をみつけたのだけれど、規模が似ているのにスペインの整備規模がやたら大きい印象を持った。
きっと巡礼の統計は取るのが難しいので適当に比べてはいけないのだろう。(ちなみに最盛期の11,12世紀は50万人いたそうな)
どの本に書かれていた内容か忘れてしまったけれど、アメリカではTHE WAY(邦題:星の旅人たち)という映画きっかけで巡礼者が増えたと記録されている。
確かにViaje interior(内への旅)を表現するには映画は凄く合っているように感じる。
2021年から関東大震災ぐらいまでを一緒くたにするような雑さでこの最盛期の歴史を考えると、Reino de Castilla(カスティーリャ王国)がToledo(トレド)を奪還する一方で、スペインの東のにあったビザンツ帝国がイスラムに負けているような状況である。
どの程度、当時のキリスト教圏の人が知っていたか私は想像もつかないけれどイスラームよりヤバげなモンゴル帝国が更に東からやってきているので、そりゃ西に逃げたくなるだろうと思った。
コロナのせいで巡礼を行うハードルが上がってしまったが、代わりにアプリで仮想巡礼が出来たり(https://www.theconqueror.events/camino/)
ネコトホさんのような巡礼ブログではかなり詳細な内容も追えるし、youtubeでもvlogが沢山見つかる。
でもやっぱり現地に行きたいなぁ。
¡Buen camino!