Diario

スペイン語と日本語の言語認識的な類似点

スペイン語と日本語はよく音に関して類似していると言われているように思う。

母音が似ているとか、会話の周波数が似ているとか。

周波数についてはスペイン語は500-1500Hz帯を使わないので日本語の低めの音と普段より高い音でメリハリをつける必要がある点が、全体的に高い音出しておけば大丈夫な英語より難しい状況もあるかもしれない。

(Sound Frequencies of Language : https://medium.com/language-insights/sound-frequencies-of-language-714b97811408)

多くの日本人が一番最初に習うのが英語であるせいで、日本語webサイトにはスペイン語が学習が楽よりの分類で紹介される事が多いのに対して、その辺がニュートラルな考えのスペイン語webサイトには学習が難しい分類で紹介されている。

( Los 10 idiomas más difíciles de aprender para los hispanohablantes : https://coursefinders.com/blog/es/2690/espanol-los-10-idiomas-mas-dificiles-de-aprender-para-los-hispanohablantes )

文法に関しては日本語と英語ぐらい離れていて、それぞれ膠着語と屈折語で言語学的に違う区分へと分類されてしまう。

文法の中でも接続法が一番習得しづらい。(スペイン語の接続法についての雑記)

 

日本語とスペイン語・英語文法はかなり違うハズなのに、何故か英語と違ってスペイン語で間違いにくい事の一つに前置詞の使い方があるような気がする。

日本語感覚的に前置詞の置き方に親近感があるというか。

もう少し具体的に言うと、

The bottle floated out. ( 瓶が流れて行った。)

と英語で書くときの”out”が日本語人であると何となく発想として思いつかないので書き忘れる。

一方でスペイン語では

La botella salió flotando.

となり何となく日本語で考えた時の単語の置き換え文になっているのでしっくりくる。

 

纏めると、

日:瓶が流れて行った。

英:The bottle floated out.

西:La botella salió flotando.

となってスペイン語は日本語の”流れて行った”部分の直訳に感覚的に似ているのは何故なのか?が今日のテーマです。

 

答えとしては移動に関する動詞の使い方について日本語とスペイン語が似ているからだそうで、verb-framing型言語と言うそう。

( Wikiリンク:https://en.wikipedia.org/wiki/Verb_framing )

英語はsatellite-framing型。

ざっくり説明をすると、移動を表現する要素として「移動」「様態」「経路」の3つの要素に分けると、スペイン語は「移動+経路」 salió に「様態」 flotando を組み合わせるタイプの言語なのに対して英語は「移動+様態」floatedに「経路」outを組み合わせるタイプの言語。

日本語はスペイン語と同じverb-framing型言語っぽく振舞う場合が多いので感覚で分かってしまうケースが多いのかなと思います。

 

島根県立大学で公開している山田昌史氏の分析はもう少し切り込んでいて、

日:ジョンは頂上へ歩いて行った。

英:John walked to the top.

西:Juan caminó hasta la cima.

の文章のうち歩いて行った「結果」頂上へ到達したのか日本語とスペイン語では不明なのに対し、英語の文章だと到達を意味するそうで、この辺のニュアンスについても日本語とスペイン語は似ていると言えそうです。

(述語のアスペクト特性に関する言語類型 pdfリンク : https://hamada.u-shimane.ac.jp/research/32kiyou/10sogo/seisaku14.data/seisaku1406.pdf)

 

もう一つ、英語の動詞に移動と様態の要素が含まれている為に日本語で直訳的に考えると意味が取れない例としては

Mike swam under the bridge.

という文で、これは「マイクは橋の下で泳いだ」以外にも「マイクは橋の下へ泳いで行った」という意味もあるそうです。

 

音やら認識やらがほんの少し似ていることを意識すると思いのほか安心感があるので、言語学的に日本語とスペイン語はどう似ているのかたまに調べるのも悪くないのかなと思いました。

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